夏野の驚異の部屋

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【オススメ本】本紹介&感想 『世界の怪物・神獣事典』

どうも皆さんこんにちは。

篠虫です。

 

 

 

今回紹介するのは、一家に一冊は欲しい(?)、この本!

 

 

世界の怪物・神獣事典【普及版】 (シリーズ・ファンタジー百科)

 

 

 

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世界各地に存在する国と地域には、その土地特有の古代神話・伝説・信仰が星の数ほど存在します。

 

そうした物語の中で欠かすことのできないもの。

 

それが、怪物・神獣です。

 

と、誤解のないように説明しておくと

怪物・神獣とUMA=未確認動物は違うものです。

 

線引きは難しく、確かに有名なUMA――ネス湖のネッシー・アメリカ先住民のサスカッチ・チベットのイエティ――など、形は違えど元々あった地元の伝承と結び付けられる例もあります。

 

ここでは怪物・神獣はあくまでも伝説・神話等に登場する、もしくは歴史的に逸話が存在する架空の生物を指します。

 

 

 

話が少し逸れてしまいましたが、本の中身の話をしていきましょう。

 

これは著者が世界中の文献を漁り、かき集めた物語の中に登場するあらゆる想像上の産物を一冊に詰め込んだ本です。

ちなみに紹介するのは「普及版」になります。

 

 

ページ数は500超!

 

約3000項目の生物が掲載され、別称や伝承地の索引・逆引きも可能。

 

怪物の”いわれ”から”弱点まで、全ても情報がギュッと詰まっています。

 

ギリシャ神話やケルト神話などの神々や巨人や妖精はもちろん

麒麟や鬼などアジア圏の怪物情報も網羅しているのは、著者の努力のたまものです。

 

私もこの本を読んで初めて知る怪物ばかりで見分が広まりました。

 

それでいて、お値段が定価で2800円(税別)というお手頃価格。

 

買って損のない一冊でした。

 

 

 

…………と、ここまで良い情報ばかり紹介してきましたが、

少しだけ、もう少しだけ改善してほしいポイントが2点あるので、お話しておきます。

 

 

不満点その1

 

図版が少ないこと。

これは非常にわかりやすく、一度本書を手に取ってパラパラパラ~とページをめくればすぐにわかります。

 

ほとんどが文字で埋め尽くされているんです。

 

文量が多い=情報量ではないのです。

 

やはり見たこともなく、ましてや実在しないものを文字だけの説明で想像するのは限界があります。

 

加えて、神話・伝説上の怪物など実在の生物を組み合わせた存在であればわかりやすいものの、より複雑で類似した存在がないような怪物を知るには、図版が欠かせません。

 

本書帯にも書かれていますが、掲載図版の数は項目が3000あるのに対し、たった120しかありません。

 

 

確かに、項目と索引と文献リストだけで500ページ以上あるため、この上多数の図版を掲載しようとすれば膨大なページ数になってしまうだけでなく、それに伴い値段も吊り上がってしまうでしょう。

 

また世界各地の怪物・神獣の図版を収集するのが非常に骨の折れる作業であることも考慮しなければいけません。

 

そのあたりの鑑みて、著者と出版社側の「大人の都合」でこの図版数になったのかもしれません。

 

だとすれば、仕方ないですね(-_-;)

自身の想像力を鍛える訓練だと思えばよいだけです!(笑)

 

 

 

不満点その2

 

日本の怪物に対する認識の差。

 

先に行ってしまえば、これも仕方のないことではあると思います。

 

本書には日本の怪物が約30種ほど掲載されています。

その所々に、日本人からすると違和感を感じる部分が見受けられます。

 

例えば、鍋島の化け猫がヴァンパイアの項目に含まれていたり(血をなめたことで化け猫になったからと思われる)、「蜘蛛」という項目で丸々怪物であるとされていたり。

 

この辺りは欧米人の著者がどのような文献を参考にどの程度正確に文化背景や言語の壁を越えて掲載できているのか、わかりません。

 

巻末で監訳者の松村一男氏も、同様のことを述べられています。

 

……また日本のものについても出典が不明な場合があった。それから記述された内容に疑問を感じるものもあった。*1

 

その一方で、続けてこうもおっしゃられています。

 

 内容が不正確な場合にはもちろん訂正したが、十点が不明なものについてはそのままにしてある。多少の皮肉も交えて言うのだが、そうした問題なしとしないような記述も、ヨーロッパにおいて中国や日本の怪物、怪獣についてどのように紹介されているのかを知るうえで参考になるだろうと思う。 *2

 

素晴らしいことだと思います。

 

こうした洋書の翻訳本を読む時、我々は純粋に著者本人が書いた文章を読むわけではなく、間に翻訳者や監修者を挟んで受け入れることになります。

 

すると、辞書的に正確な翻訳だとしても、多少なりとも翻訳者なり監修者なりの個人的な思考が反映されてしまうものです。

 

それは決して悪いことではありませんが、私たちにとってはこの記述がはたして原書そのままの表現なのか、それとも少しニュアンスの異なるものなのか判断できません

 

なので、こうして必要最低限の訂正のみにしておいてくれることも時には必要なんだと思います。

 

 

 

 

 

って最終的になんだか違う話になってしまいましたが、

総じてこうした怪物・怪獣系の事典本を持っていない人には手に取りやすくお勧めの本だと思います!

 

怪物・神獣には興味ないという人には、同シリーズの『世界の妖精・妖怪事典』もあります!

こちらは私はまだ手に取っていませんが、著者も形式は紹介した本書と変わりません。 

 

 

長い雨の梅雨時に、ゆったりと神話と伝説の世界に浸ってみませんか?

 

 

 

それではまた!

( ´Д`)ノ~バイバイ

 

 

 

 

 

*1:『世界の怪物・神獣事典』485p19-21行目

*2:『世界の怪物・神獣事典』485p21-28行目