夏野の驚異の部屋

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【オススメ本】本紹介&感想 『実録 死体農場』

どうも皆さんこんにちは。

お久しぶりですね。

夏野篠虫です。

 

 

だいぶ間が空いてしまいましたが、また今回から本紹介を再開したいと思います!

再開1回目は、ちょっとおっかないタイトルの本です(;'∀')

 

 

実録 死体農場 (小学館文庫)

 

 

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農場は農場でも、”死体”を扱うのは世界でもただ一つ。

アメリカはテネシー州テネシー大学の人類学研究所、通称「死体農場=Body Farm」と呼ばれる場所のみ。


ここは以前、TBS系列放送の『クレイジージャーニー』内で佐藤健寿さんが取材して、日本に紹介されてことでも話題になりました。

 

また作家パトリシア・コーンウェルの『検屍官』シリーズの「死体農場」のモデルにもなった場所でもあります。

死体農場 (講談社文庫)

 

 

世にも珍しい本物の人間の死体を使った研究施設です。

 

 

ここの創設者、法人類学者のビル・バスはアメリカで長きにわたり犯罪捜査に協力してきた、いわば死体のスペシャリストです。

 

 

本の中身は、彼が法人類学者を志すところから始まり、様々な事件を通じて人体腐敗のプロセスを解明し淡々と語られていく、まさに”事実は小説より奇なり”な話です。

 

 

そもそも死体農場とはどのような施設なのか?

 

そこは屋外に作られた広い敷地で、周囲は木の柵で囲われ外からは中の様子はうかがい知れません。

 

中に入れば、あちこちに寝かせられた人だったものが照りつく太陽のもと土に帰るのを待っています。

 

死体は地面に直接置かれたり、落ち葉の上やコンクリートの上、車の中や小屋の中などあらゆる環境に設置され、異なる腐敗の進行が観察できるようになっています

 

 

もちろんここで研究に使われる死体は皆、生前の本人や家族からの好意によって検体された人々のものです。

 

この施設ができるまで、我々人類は自らの肉体が死後、どのような手順をおって腐敗するのか、1日後2日後5日後1週間後にどんな状態に変化するのか、どんな虫がやってきて死肉をあさるのかほとんどのことを知りませんでした。

 

このままではいけない、自分たちの無知を思い知ったビル・バスは大学に掛け合い、死体農場を作ることを決意します。

 

 

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一般人にはなかなか馴染みがない、法人類学の世界。

そしてそれを利用した犯罪捜査の現場。

 

テレビドラマの警察ものでは頻繁に出てくる光景も、こうした研究者のおかげで成り立っているんです。

 

 

一部にわずかですが、白黒の遺体写真も出てくるので苦手な人には強くお勧めしませんが、とにかく面白いのは死体の身元確認法や犯人につながる証拠の見つけ方です。

 

 

例えば、死体は当然のことながらより暑く湿気の多い環境の方が腐敗が速く進みます。

それはなぜかというと、死体の一番の分解者「ハエ」が最も活発に活動する環境だからです。

 

ハエ――中でもクロバエ――は気温が10℃以下になると飛ばなくなります

ハエが飛ばない、つまり死体にやってこないとなればその子供であるウジ虫も発生しなくなります。

すると死体の腐敗はゆっくりとしか進まないので、冬場と夏場では死亡推定時刻の計算法が異なります。

 

また、ハエはより柔らかく湿り気のある場所に好んで卵を産むので人の顔や性器などの粘膜周辺はいち早く腐り、無くなります

 

しかし、ハエをおびき寄せる一番の要因は「」です。

 

だから被害者である死体に出血があれば、その傷にハエが卵を産むのでそこは普通以上の早さで腐ります

これを特異的腐敗といい、これによって被害者がどこを攻撃され死に至ったのか、その死因の究明にもつながります。

 

 

こうした話は全て、ビル・バスの淡々とした語り口で紡がれますが、

それは決して彼が薄情な人間だからというわけではなく、

いちいち感傷的になっていては仕事にならないから、

そして、純粋に死体に残されたわずかな痕跡を元に犯人逮捕に向けて謎を解き明かすことが好きなのです。

 

 

と、まあいくつもの面白く興味深い話が満載で読んでいて飽きません。

特にミステリーやサスペンスなど犯罪小説が好きな人にはお勧めです!!

 

 

 文庫本で安く手に入るので、ぜひ法人類学の世界に浸かってみてください!

 

 

 

 

それではまた!

( ´Д`)ノ~バイバイ