夏野の驚異の部屋

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【オススメ本】今年読んだ本の紹介&感想『大英自然史博物館シリーズ3 生物毒の科学』

どうも皆さんこんにちは。

篠虫です。

 

 

今回から久しぶりに、読んだ本の感想でも書いていこうと思います。

 

初回はこの本!

 

生物毒の科学 (大英自然史博物館シリーズ 3)

 

 

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『大英自然史博物館シリーズ3 生物毒の科学』

著:ロナルド・ジェンナー&イヴィンド・ウンドハイム

監修:日本薬科大学 船山信次 

訳:瀧下哉代

出版社:XーKnowledge

初版:2018年9月1日

ページ数:本文209p 

 

 

 

イギリスにある、世界に名高い博物館・大英自然史博物館などの学者らによって執筆されたシリーズの3冊目。

 

 

表紙から綺麗な写真で印象深いです。

 

ちなみにこのタコ、知ってる人には超有名なんです(当たり前)

 

詳しくない人も、聞いたことはあるかもしれません。

名前を「ヒョウモンダコ」といいます。

 

大きさは、小さく数cm~10cmほど。

普段は岩場や珊瑚礁で周囲の風景に擬態しながら過ごす生き物ですが、ひとたび刺激や危険にさらされると身体の色を、写真のように鮮やかな黄色や青リング模様を出して威嚇します。

 

それでもひるまないと、8本の足の中心に隠した鋭い歯でかみつき毒を注入。

成人でも死亡します。

 

毒の種類は、テトロドトキシンというアルカロイド系の一種で、フグ毒と同じ成分でもあります。

近年は海水温の上昇などの影響で、太平洋側の日本近海でも多数の目撃・捕獲報告がされています。

 

 

と、のっけから少し話がそれてしまいましたが、このような自然界に存在する「毒」を持つ生物(動物)について、1から10まで説明してくれる本になります。

 

 

 

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初心者でもわかりやすい

 

読んだ印象は、誰が読んでも理解しやすいことです。

 

文章には専門用語が所狭しと書かれています。

 

先ほど述べた”テトロドトキシン”もそうですが、毒の種類や科学的用語、生物の身体構造についてなど、普通なら一定の知識を持つ人でなければ読み切るハードルが非常に高いです。

 

しかし、初心者向けに優れている点は

文章がわかりやすい・巻末に用語解説がついているところです。

 

平易な文章でいて、余計な部分が少なく堅苦しさをあまり感じません

また、随所に生態写真と解説図が添付されており、想像しにくい部分を補います。

 

しかも、ただ簡単な文章で綴るわけでなく、きちんとした専門的な内容が掲載されています。

 

 

生物毒の入門書としても、現役の研究者でも持っていて損はしないと思います。

 

 

 

 

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図版が豊富で綺麗

 

良い点二つ目、

表紙・裏表紙含め、美しい写真を多数掲載しています。

 

知らない生物・初めて見る生物のビジュアルを目で確認すれば、より内容が頭に入ります。

 

問題があるとすれば、本当に多種多様な生物の写真が掲載されているため、クモやヘビ、カエル、ムカデ、昆虫類など一般に不快生物と呼ばれる生き物も、しっかりカラーの大きな写真で見ることができてしまう点でしょうか(~_~;)

 

私は上記の生き物はどれも大好きなので、大歓迎ですが、それらが苦手な人は少し買うのを覚悟した方が賢明だと思います!

 

 

多くのページに写真が添付され、文章を読まずとも生物写真集として楽しんでも良いかもしれません。

 

 

まあ、本当に写真だけが目的なら別の本をオススメしますが・・・。

 

 

 

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様々な雑学を知る

 

毒を持つ生物に特化した本であるが故、生き物がもつ毒について、そして生物について深い知識と雑学を身につけることができます。

 

 

たとえば、世界に「有毒生物」はどのくらいいると思いますか?

 

1万種? 5万種? 10万種?

 

答えはおよそ20万種と言われています。

 

そんなに?と思われるかそんなものかと思うかは人それぞれですが、身の周りにも毒を持つ生物は大量に潜んでいます。

 

街中や家の周囲だと、ハチはその代表ですね。

また、ダニも蛾や蝶の幼虫、いわゆる毛虫も毛で刺す毒をもっています。

 

ちなみ昆虫は世界で最も多い有毒生物のグループです。

 

以前記事を書いた、カメムシの仲間も獲物の体液をすするために麻痺性の毒を使います。

 

www.natuno-wunderkammer.com

 

 

www.natuno-wunderkammer.com

 

 

軒下や壁際などにはクモやムカデが、水辺には日本でもヒキガエルの仲間は頭の後ろ辺り、耳の周囲から白い毒を分泌します。

 

 

海に行けば、オコゼの背びれやガンガゼなどのウニの棘は危ないし、クラゲの触手、イモガイの毒針、ゴカイの牙なんかも毒があります。

 

フグやスベスベマンジュウガニのように食べたら死ぬ毒もありますよね。

 

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ガンガゼ 棘が最大30cmほどと非常に長く、刺されるとかなり痛む。房総・相模湾以南の生息。

 

海外ではドクトカゲという種もいるし、哺乳類のカモノハシも、雄が闘争用に使う後ろ脚の鋭い爪から強い毒を注入できます。

 

 

 

 

他の例だと、「ポイズン」「ベノム」の違いを知っていますか?

私もこの本で初めて知りました。

 

ベノム=venomとは、

有毒動物自身の毒腺で生成。貯蔵され、別の動物に積極的に注入される毒*1

 

ポイズン=poisonとは、

食物連鎖によって獲得され、別の動物によって受動的に取り込まれる毒物や人工的に作られた毒*2

 

本来はこう使い分けられるものだそうです。

厳密に狭義で考えるともっと細かくわけられますが、詳しくは本書を読んで確認してください。

 

 

 

目次を見ると一目でわかりますが、生物毒の定義から多様性、どのように進化したのか、人との関わり方・利用方や古代の医療知識など多角的に語られる毒の話は、知ればきっと誰かに話したくなるはずです。

 

 

 

 

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総評・感想

私はこの本を買って、その面白さから1日で一気に読み進めてしまいました。

詳しい・読みやすい・面白い三拍子揃った良本だと思います。

 

過去にも、毒を持つ生物の本↓は読んだことがあったのですが、それらは有毒の「生き物」について書かれた本でした。

 

 

ですが、こちらは「」を持った生物について書かれた本です。

 

とにかく、毒 毒 毒のオンパレード。

 

 

生物の毒をメインに語られる話は、人にとって時に命を脅かす存在でもあり、時に薬となって命を救うこともあると知らされます。

 

そして、生物毒は途方もないほどの進化の歴史のおかげで生まれたもの、生命の神秘の究極形でもあると知ったとき、これまで以上に生物への愛と美しさ、素晴らしさを感じられました。

 

 

 

 

 

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さて、いかがだったでしょうか?

 

本の紹介、というか感想は昔から得意ではなかったのですが、今年は1月2月にそこそこ本を読んだので、どうせならと思い今になって記事にしてみました。

 

皆さんにもその本の魅力が伝わればと思います。

気に入ったらぜひ読んでみてください!

 

しばらくは紹介が続くのでよろしくお願いします!

 

 

 

それではまた!

(。・_・)ノ

 

 

 

 

*1:『生物毒の科学』12p10ー11行目

*2:『生物毒の科学』12p11行-13p1行目