どうも皆さんこんにちは。
思いついたら書けるときに記事を書こう!
そんな篠虫です。
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「アート(=ここでは「美術」)」と聞くとそれだけで拒絶反応が出る人もひょっとするといるかもしれませんが、時折ニュースでも話題になることがありますよね。
例えば2016年に東京都美術館他で開催された『生誕300年記念 若冲展』では初夏の日差しの中、多くの人が列をなし、44万人以上の人が江戸時代の画家、伊藤若冲の精緻で絢爛な絵画を観に訪れました。
また昨年から今年春にかけて六本木の森美術館で開かれた、『レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル』は錯覚を利用した数々の作品を体感でき、一部作品を写真に収めることができたため若者にも大変人気がありました。
レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル | 森美術館 - MORI ART MUSEUM
今や私たちの身近に多く入り込んでいる「アート」ですが、冒頭でも少し触れたように、「現代アートは理解できない」みたいな”難しい”という意見や「どうして高額で取引されたりするの?」といった疑問がよく見受けられます。
私は学校で少々美術を習っていたので、そういった疑問の解説を受けたとき、目から鱗が落ちたようなすっきりとした気持ちになりました!
なので、今回は私の知識は不完全ながらも、簡単にこうした「アート」に関する疑問への話をしていこうと思います。
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さて、まずは「現代アート」とは?というところから話していかなければなりません。
「現代アート」自体の定義は言葉通りに取ってもらっても構わないです。その時代その時代の「アート」のことを「現代アート」と呼びますが、学問的に捉えるならば意味が変わってきます。
「現代アート」が”現代の”「アート」を指すことには変わりありませんが、広義の「現代アート」は19世紀後半の”印象派”から始まる、近代美術史にあてはまる「アート」を指します。
より正確に言えば、印象派は「近代アート」(近代美術)であり、戦後のアートが「現代アート」 (現代美術)と分けることができます。
(wikiってみると、想像以上にいくつもの範囲定義があるようなので、ここでは上記をそれらの区分として扱いたいと思います。詳しく知りたい方は以下のリンクからどうぞ。)
「近代アート」からの変遷を話していきたいところですが、さすがに長くなりすぎるので、今回は省くことにします。機会があればまた取り上げます。
「現代アート」というと外国人の方が思い浮かぶという人もいるかもしれません。
事実、日本よりも海外の方が昔から常に先を行っているのがこの分野でもあります。
有名なアート潮流でいえば、195,60年代のアメリカを中心としたポップアートが日本でも人気は高いと思います。アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインらの作品は、現在でも高額取引されています。
その他、著名日本人の現代アーティストだと、大阪万博公園の『太陽の塔』の作者である岡本太郎や”水玉模様”と”カボチャ”の造形が有名な草間彌生、”オタクカルチャー”をうまく活かして活躍している村上隆など、世界で活躍しているアーティストも少なからずいます。
彼らの作品は、数千万円以上の値がつくことも普通にあり、オークションでコレクターに落札されたり、美術館に収蔵されたりしています。
では、どうして数千万円という高額な値がつくのでしょうか?
あくまでも私の主観でいえば、彼らの作品は決して”上手な絵”ではないです。
おそらくそう思う人は大勢いるのではないでしょうか?
しかし、その逆をいえばそれらの作品にその価値をつけるという人が一定人数いるのです!
その価値がつくのにはもちろん明確な理由があり、『新しい表現を作り上げた功績』、『画力・技術力・表現力』、『作者の知名度・人気度』などが挙げられます。
特に『新しい表現を作り上げた功績』というのは重要なポイントで、教科書に載っているような有名芸術家はほぼ全員これに当てはまります。
例えばジャクソン・ポロックは、絵筆につけた絵具を床に敷いた画布に緩急をつけて落としていくアクション・ペインティングという独自の画法で作品を制作し、彼の絵にはいまや数百億円以上の価値がついています。
また美術作品の値段というのは、その作品を売る側と買う側がいて初めて生まれる価値です。その価値には市場が存在し、時の経過とアーティストの人気によって上下するものです。
さらに現代アートは、特にアーティストがまだ存命している場合、値段が大きく上がりことがあります。そしてバイヤー達は作品を株や土地のように投資の対象として扱っている側面があるのです!
この流れは現代アートが盛り上がりを見せ始めた1950年代以降、急速に発展していきました。
しかし、これには大きな問題があります。
それはアーティスト側に利益が少ないという点です。
なぜかというと、例えば画商(バイヤー)があるアーティストの作品を本人から10万円で買いました。そして数年後、そのアーティストが一躍人気作家になったとき、作品を100万円で売りに出しました。そうすると画商には90万円の利益が入りますが、アーティストにはたったの10万円しか入ってきません。
この展開が何倍もの規模と金額で行われた結果、画商達は大もうけをする一方で、アーティスト達はそれ相応の報酬が得られない状況が続きました。
怒ったアーティスト達は新たなアートを産み出し、既製品を大量に使った作品や巨大な彫刻作品など、とにかく画商達が買いたくない・価値のつけられない作品を造り出しました。
それでも高額な買い手がついてしまい、結局はいたちごっこで終わりを迎えました。。。
現在はそうした流れが当時よりは改善されているはずですが、いまだアートバブルは続いています。近年では急速な経済成長を遂げた中国でバブルが起きていますね。
ここまでその定義と価値について話してきましたが、最後に「現代アートが難しい」という意見に対しての話をします。
「現代アート」の作品を鑑賞するときに必要なのは、作品に無理に意味を見出そうとしたり難しく考えるのではなく、あくまでも自分が観たときの心象を大事にして欲しいと思います。
別に数百億もする絵画だから万人に通用する普遍的な価値を持っているわけではありません。
「アート」とは鑑賞者自身がどう感じたのか、どう思ったのか、その気持ちが一番大事なことなんです!!
なので他人の意見に流されず、好きなように鑑賞すれば良いんです!
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いかがだったでしょうか?
少しでも「現代アート」について理解と興味が出てくれればうれしいです。
今回はいつもよりも長文になってしましました。
書いているとついつい書きたいことがたくさん出てきて、詰め込んでしまうのは悪い癖ですね(~_~;)
それではまた次回!
(。・_・)ノ